「そんなに口惜しかったら自分で自分の手ェ汚せば」

2008年09月08日



先日とうとうジュリーさんのライブに行ってしまいましたよ。
年齢層高い。。
基本私の親世代で客席埋まってる感じで
大人過ぎて付いていけない空間に、いたたまれない気持ちになりつつも。
うわーーい!とうとう生サムライ聴いた!!!!
が、がっぐいい。。なにあの還暦。

で、かっこいいけど、やっぱり60歳だなーとも思うんです。
年だなー。老けたなー。ってネガティブに眺めやる意味ではなくて。
ちゃんと自分の年齢に対して向き合ってる、受け入れてる感じが気持ちいいです。もともとつべやらニコ動やらで嵌ったクチなので、それこそデビュー当時からつい近年のものまで一気に観れる訳ですね。そうなるともう、一人の人間の大河ドラマを観るような感じです。ちょうど親世代の人なので、風俗が親のたどって来たソレと一致する訳で、その辺もすごくリアリティを持って「沢田研二」っていう一人の人の春秋に思いを馳せる事になる訳ですよ。
もちろん大スターと一介のおっさんおばさんであるうちの親を重ねてるわけじゃないですよw んなわけない。そーゆー意味じゃないですよ。
なんて言うのか、時代そのものを、沢田さんを通して観てる感じなのかな。
だからこそ、彼が自分の今の年齢を、年輪を受け入れている姿勢が嬉しいんですよ。ひとつひとつの時代を、楽しかったことも、悲しかったことも、嬉しかったことも、憤り赦せなかったことも、全てを受け入れて立っている姿ですよ。忘れ去ったり、否定したりしない姿ですよ。
毎年作り続けている楽曲は、すっかり大人ワールドで、はっきりって私ぐらいの層は聴かせる層としてカウントされてないようです。
ご本人も「同世代の団塊世代、もしくはそれより上の世代の人達が元気になる曲を」と作られてるそうで、つまり等身大の自分ができるベストをやってるんですよね。変に若ぶって媚びることはなく、きちんと自分の等身大の気持ちで仕事をされてる姿を清々しく思います。

彼等の世代からみたら私は完全にちびっこですよ。隣に並んで共感なんてどうあがいてもできません。私たちは背中を見る事しか出来ない。
で、後ろの物陰から「かっこいい大人の背中だ!」と憧れる訳です。よい年の取り方なんだろうなと思います。だからこそ彼等の時代が美しく見えて来るんでしょう。

おおこういう話を書くつもりじゃないんだった。
これは他の方がブログで書いてたことで、非常に共感したのが
沢田研二と椎名林檎は似てる。ってこと。
今の沢田さんと、じゃなくて、私の見解だと
謹慎から復帰後の沢田さんのやり方と勝訴ストリップぐらいまでの林檎ちゃんのやり方。かなと。
当時の林檎ちゃんの「そんなに口惜しかったら自分で自分の手ェ汚せば」っていうのがありますが、「こ、こいつ…ッ」って思いながらもグッときちゃった人は多いと思います。
で、沢田さんですが。
謹慎から再起を賭けて、ライブのみでTVではやってなかった化粧を始め、女物の下着のような格好をしたり、帽子投げるわ軍服着るわ煙草は吸うわジーンズのジッパーおろして出てくるわ。果てはあのパラシュートですよ。元祖ビジュアル系とか言われてますが、本人は至って普通の寡黙で地味人間、しかもイメージにあるような軟派な人ではなく、かなりの硬派な人と聞きます。そんな人がああいう奇抜で挑発的で扇情的な格好をするのは、つまり「そんなに口惜しかったら自分で自分の手ェ汚せば」の精神ですよ。お、漢だ。。なんとも冷静でクレバー、しかしぎりぎりの緊張感、悲壮的なロマンすら漂いますよ。こういうところから、あの尋常じゃない、何十年も時を経ても色褪せない色気が出てるんだろうなと思います。また、女性ファンだけじゃなく男性ファンも多いそうですが、やっぱりこういうところに惹かれてるとしたら物凄く理解できます。傾く(かぶく)精神ともとれますね。
そんなわけで、沢田さんの大スター時代を知らない世代としては、林檎ちゃんの存在感っていうのを契機にして当時の人気っぷりを想像してみた。っていう話でした。
っていうのを父に話したら、ばかやろジュリーはタイガースの頃の方がもっとすごい人気だったぞ。とのこと。お、おそるべしザ・タイガース。

さてそんな漢らしい沢田さんは、今年の年末にドーム公演を二つやるんだそうです。かなり無謀なんだろうと思います。が、やっぱり前述の若い頃の沢田さんの反骨精神と緊張感が漂ってきますよ。無謀なことするこのおじさんが大好きだ。っていうことで、この暑苦しい日記を結ぼうと思います。

いきなり「まつおさんそんなジュリーすきやったんか」っていう文章でごめんあそばせ。そんなに好きなんですわ。でへへ。 


Posted by マツオヒロミ at 10:36Comments(4)日記